ずんだ餅の「ずんだ」とは、ゆでた枝豆をすりつぶして砂糖などで調味した緑色の餡のこと。宮城・仙台を代表する郷土菓子で、笹かまぼこ・牛タンと並ぶ「宮城三大名物」のひとつに数えられます。名前の由来には、豆を打ちつぶす「豆打(ずだ)」が転じたとする説が有力で、伊達政宗にまつわる逸話も語り継がれてきました。この記事では、ずんだ餅の名前の由来と歴史、現代のお取り寄せ事情までを編集部がまとめて解説します。
ずんだ餅とはどんな和菓子?
ずんだ餅は、ゆでた枝豆(または青大豆)をすりつぶし、砂糖と少量の塩で味を調えた「ずんだ餡」を、つきたての餅にたっぷりとからめた和菓子です。鮮やかな萌黄色と、枝豆特有の青々とした香り、粒を残した独特の食感が持ち味。宮城県を中心に、山形県・福島県など南東北一帯で古くから親しまれてきました。農林水産省も、宮城県の郷土料理・伝統食としてずんだ(ずんだ餅)を紹介しています。
「ずんだ」という名前の由来(諸説)
「ずんだ」の語源には複数の説があり、いずれも確定はしていません。編集部が主な説を整理すると、次のとおりです。
①「豆打(ずだ)」転訛説(有力)――ゆでた枝豆をすりこぎで叩いて潰す作業を「豆を打つ=豆打(ずだ/打豆)」と呼び、それが「豆ん打(ずんだ)」へと訛ったとする説です。語源由来辞典でも代表的な説として挙げられています。
②伊達政宗・陣太刀(じんだち)説――仙台藩祖・伊達政宗が陣中で太刀(陣太刀)を使って枝豆をすり潰したことに由来し、「陣太刀」が「ずんだ」へ変化したという逸話です。広く親しまれてきた説ですが、決定的な史料はなく、現在では俗説として扱われることが多い点に注意が必要です。
③甚太(じんた)説――甚太という百姓が政宗に献上するために考えた餅が気に入られ「じんた餅」と呼ばれた、という言い伝えです。
④「糂汰(じんだ)」転用説――古くはぬか味噌や五斗味噌を「糂汰(じんだ)」と呼び、枝豆をすりつぶした料理にもその名が広がったとする説です。いずれにせよ「豆をすりつぶす」という調理の姿が名前の核にあると考えられます。
ずんだ餅の歴史
ずんだ自体は江戸時代にはすでに存在していたと考えられていますが、砂糖で甘く仕立てたずんだが広く確認できるのは、砂糖が庶民に出回るようになった幕末以降とされます。枝豆の旬は夏。かつては夏の風習として、お盆に家族や親戚が集まってずんだをすり、餅にからめて食べる習わしがありました。ずんだ餅は、こうした集いの場を彩ると同時に、先祖への供物としての意味も持っていたと伝えられています。夏の限られた時期にしか味わえない「季節のごちそう」だったのです。
その後、冷凍技術や製餡技術の発達により、旬を問わず一年を通してずんだが楽しめるようになりました。現在では宮城・仙台土産の定番として全国区の知名度を獲得し、南東北の食文化を代表する味のひとつとなっています。
現代のずんだスイーツとお取り寄せ
近年は伝統的なずんだ餅にとどまらず、「ずんだシェイク」に代表される新しいずんだスイーツが人気を集めています。ずんだのペーストを使ったロールケーキ、大福、団子、饅頭、洋菓子とのかけ合わせなど、バリエーションは年々広がっています。仙台駅の土産売り場では、ずんだ関連商品が一大コーナーを形成するほどです。
遠方でも、冷凍・冷蔵のずんだ餅やずんだ餡は通販でお取り寄せが可能です。枝豆の風味は鮮度が命のため、解凍後は早めに食べきるのがおすすめ。青々とした香りと自然な甘みは、和菓子好きへの贈り物にも喜ばれます。東北の銘菓をあわせて楽しみたい方は、同じ東北で生まれたかもめの玉子の物語もチェックしてみてください。地域や購入時期によって価格・販売状況は変動するため、最新情報は各販売店でご確認ください。
宮城の銘菓をまとめて選びたい方は宮城県のお取り寄せスイーツ・銘菓おすすめランキングを、和菓子全体の成り立ちを知りたい方は日本のスイーツ元祖・由来・発祥 総合ガイドもあわせてどうぞ。
おいしいずんだ餅・ずんだ餡の選び方
お取り寄せでずんだを選ぶときは、いくつかの視点を持つと失敗が少なくなります。まず注目したいのが枝豆(青豆)の産地と配合です。豆の風味がしっかり感じられるかどうかは、餡に占める豆の割合と鮮度で大きく変わります。次に甘さのタイプ。すっきりした甘さの餡は豆の香りが際立ち、しっかり甘い餡は洋菓子のような満足感が楽しめます。用途に合わせて選ぶとよいでしょう。
贈答用なら、餅と餡が別添えで届き、食べる直前にからめられるタイプが風味の面でおすすめです。日持ちは冷凍・冷蔵・常温で大きく異なるため、届いてから食べるまでの日数を考えて選びましょう。ずんだ餅のほか、ずんだ大福・ずんだロール・ずんだシェイクの素など、同じずんだ餡を使った商品を組み合わせて取り寄せると、食べ比べも楽しめます。
ずんだ餅に関するよくある質問(FAQ)
Q1. ずんだ餅はどこの名物ですか?
宮城県・仙台を代表する郷土菓子です。笹かまぼこ、牛タンと並ぶ「宮城三大名物」のひとつとされ、山形県や福島県など南東北一帯でも古くから親しまれています。
Q2. 「ずんだ」の名前の由来は?
豆を打ちつぶす「豆打(ずだ)」が「豆ん打(ずんだ)」に転訛したとする説が有力です。ほかに、伊達政宗が陣中で太刀(陣太刀)を使って枝豆を潰したことに由来するという逸話もありますが、こちらは決定的な史料がなく俗説として扱われることが多い説です。
Q3. ずんだ餅はいつから食べられていますか?
ずんだ自体は江戸時代からあったとされますが、砂糖で甘く仕立てたずんだが広まったのは砂糖が普及した幕末以降と考えられています。枝豆が旬を迎える夏、とくにお盆の時期に家族で作る季節の行事食でもありました。
まとめ
ずんだ餅は、枝豆をすりつぶした鮮やかな緑の餡が主役の、南東北を代表する郷土菓子です。名前の由来は「豆打(ずだ)」の転訛が有力で、伊達政宗の逸話は親しみやすい俗説として語り継がれてきました。かつては夏・お盆の季節の味だったずんだも、いまでは通年で楽しめるお取り寄せの定番に。素朴で青々とした風味は、時代が変わっても愛され続けています。夏の思い出とともに、あるいは東北土産として、ぜひ一度味わってみてください。
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