クレープの発祥地は、フランス北西部のブルターニュ地方です。原型となったのは、そば粉で焼いた素朴な薄焼き「ガレット」でした。名前は「縮れた・ちりめん状の」を意味するラテン語crispus(クリスプス)に由来するという説が有力です。そして日本で親しまれる、生クリームやフルーツを包んで紙で巻き、歩きながら食べる甘いクレープは、1976〜1977年に東京・渋谷から原宿へと広がった「原宿クレープ」の文化から生まれました。この記事では、クレープの歴史と名前の由来、そして日本での進化を、出典にもとづいて編集部が解説します。
クレープとはどんなお菓子か
クレープは、小麦粉・卵・牛乳・砂糖などを溶いた生地を薄く円形に焼いた料理・菓子の総称です。甘い生地にはフルーツや生クリーム、チョコレートソースを合わせてデザートに、塩気のある生地にはハムやチーズ、卵を合わせて食事にと、幅広く楽しまれています。日本では「クレープ」といえば生クリームたっぷりの甘いスイーツを思い浮かべる人が多いですが、本場フランスでは食事系と甘い系の両方が日常的に食べられています。
クレープの歴史はブルターニュのそば粉から始まった
クレープのルーツは、フランス北西部・ブルターニュ地方にあります。この地方は土地がやせ、気候も冷涼で小麦の栽培が難しかったため、やせた土地でも育つそば(蕎麦)が古くから常食とされていました。そのそば粉を水で溶き、薄く焼いたものが「ガレット(galette)」で、これがクレープの原型といわれます(出典:Wikipedia「クレープ」、ル ブルターニュ公式サイト)。
やがて小麦粉が手に入りやすくなると、小麦粉・卵・牛乳で焼いた白く柔らかい薄焼きが生まれ、こちらが甘い「クレープ(crêpe de froment=小麦のクレープ)」として定着していきました。現在も本場では、そば粉の食事系を「ガレット」、小麦粉の甘い系を「クレープ」と呼び分けるのが一般的です。
ブルターニュには、2月2日の「シャンドルール(聖燭祭)」にクレープを焼いて食べる風習があります。黄金色の丸いクレープを、これから訪れる春の太陽に見立てて焼く——季節の節目を祝う家庭料理として、クレープは長く人々の暮らしに根づいてきました(出典:Wikipedia「クレープ」)。
「クレープ」という名前の由来
「クレープ(crêpe)」という名前は、「縮れた・ちりめん状の」を意味するラテン語crispus(クリスプス)に由来するという説が有力です。焼き上げたときに生地の縁がわずかに縮れ、表面にちりめんのような細かな模様が浮かぶ様子から、この名がついたと考えられています。英語で「ちぢれた」を意味する crisp(クリスプ)とも同じ語源にさかのぼります。薄く繊細な生地の質感が、そのまま名前になったお菓子といえるでしょう。
日本のクレープと「原宿クレープ」の誕生
日本で甘いクレープが一大ブームになったきっかけは、1976年に生まれた「マリオンクレープ」です。山形県金山町出身の岸伊和男氏が、クレープ発祥の地ブルターニュで2週間クレープ作りを学び、1976年に東京・渋谷公園通りでマリオンクレープを創業しました。クレープを三角錐に折り、紙で巻いて歩きながら食べるスタイルは、日本で初めてのものだったとされます(出典:マリオンクレープ公式サイト「マリオンクレープの歴史」、Wikipedia「マリオンクレープ」)。
翌1977年に原宿へ移転すると、生クリームやフルーツをたっぷり包んだカラフルなクレープは、竹下通りを歩く若者たちの象徴的なファッションフードとなりました。「原宿クレープ」は日本独自のスイーツ文化として全国へ広がり、フランスの素朴な家庭料理は、日本でひときわ華やかなご褒美スイーツへと進化したのです。
現代のクレープとお取り寄せ
現在のクレープは、屋台の食べ歩きスタイルだけでなく、皿に盛りつけるカフェのデザートクレープ、薄いクレープ生地を何層も重ねた「ミルクレープ」など、多彩に広がっています。おうちで楽しむなら、冷凍で届くミルクレープやクレープセットのお取り寄せが便利です。旬のフルーツや生クリーム、アイスを添えれば、家庭でもカフェのような一皿を楽しめます。
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クレープに関するよくある質問
Q1. クレープとガレットの違いは何ですか?
本場フランスでは、そば粉で焼いた食事系の薄焼きを「ガレット」、小麦粉で焼いた甘い薄焼きを「クレープ」と呼び分けるのが一般的です。ガレットはハムやチーズ、卵を包んだ塩気のある料理、クレープはフルーツや生クリームを合わせたデザートとして親しまれています。
Q2. クレープはどこの国で生まれたお菓子ですか?
フランス北西部のブルターニュ地方が発祥です。やせた土地でも育つそばの粉で焼いたガレットが原型で、のちに小麦粉を使った甘いクレープへと発展しました。
Q3. 日本の「原宿クレープ」はいつ生まれたのですか?
1976年に渋谷で創業したマリオンクレープが、生クリームやフルーツを包み紙で巻いて食べ歩くスタイルを日本で初めて広めました。1977年に原宿へ移転し、若者文化を象徴するスイーツとして定着しました。
まとめ
クレープは、フランス・ブルターニュのそば粉のガレットを原型とし、名前は「縮れた」を意味するラテン語crispusに由来するとされる、素朴な家庭料理から生まれたお菓子です。それが日本では、1976〜1977年の原宿クレープ文化を通じて、生クリームとフルーツで彩られた華やかなスイーツへと独自の進化を遂げました。一枚の薄焼きに、フランスの暮らしと日本の若者文化の両方が重なっている——そう思うと、いつものクレープが少し味わい深く感じられるかもしれません。
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