もっちりとした食感と素朴な甘さが特徴のういろう(外郎)は、名古屋を代表する銘菓です。しかしういろうは名古屋だけではなく、山口・小田原・東京など各地に独自のういろう文化が存在します。その歴史は室町時代まで遡り、日本の菓子の中でも最も歴史が長い部類に入ります。
ういろうの起源については諸説ありますが、室町時代(1300〜1400年代)に中国・元から来日した陳外郎(ちんういろう)という人物が薬とともに持ち込んだという説が有名です。名古屋のういろうは米粉と砂糖を蒸して作る独特の食感が特徴です。
名古屋でういろうが特に発展したのは江戸時代のことです。尾張藩の保護もあり、老舗の「青柳総本家」(1879年創業)をはじめとする菓子屋がういろうを洗練させていきました。現在の名古屋ういろうはプレーン・抹茶・小倉・桜など多彩なバリエーションがあります。
一方、山口のういろうは小麦澱粉を使ったつるつるのほろ苦い味が特徴で、名古屋とは全く異なる食感です。また小田原のういろうは甘みを控えたあっさりした味わいで知られています。同じ「ういろう」という名でも地域によって全く異なるこのお菓子は、日本の菓子文化の多様性を象徴しています。名古屋を訪れたら、ぜひ本場のういろうをお試しください。