口に入れるとほろりと溶ける、赤ちゃんのおやつの定番「たまごボーロ」。ところが名古屋以北では「たまごボーロ」、京都では「エイセイボーロ」、大阪では「乳ボーロ」、九州では「栄養ボーロ」と、地域によって呼び名がまったく違うことをご存じでしょうか。編集部が公式資料・文献をもとに、その誕生の背景と広まりを整理しました。
たまごボーロの発祥はどこですか?
明確な単一の発祥地は分かっていません。「ボーロ」自体は16世紀にポルトガルから伝わった南蛮菓子で、卵を使った小粒のたまごボーロ系統については、京都の西村衛生ボーロ本舗が明治26年(1893年)に創業し「衛生ボーロ」として製造を始めたことが、記録上の大きな画期とされています(西村衛生ボーロ本舗公式サイト、Wikipedia「ボーロ」より)。
たまごボーロと佐賀の「丸ぼうろ」は同じものですか?
別のお菓子です。丸ぼうろは円盤形の焼き菓子で佐賀県の銘菓、たまごボーロは粒状で口に入れるとすぐに溶ける菓子です。どちらもポルトガル語「ボーロ(bolo)」を語源とする南蛮菓子から発展しましたが、それぞれ別の系統として進化しました(Wikipedia「ボーロ」「丸ぼうろ」、同志社女子大学コラム「たまごボーロの秘密」より)。
たまごボーロという呼び名は全国共通ですか?
いいえ、地域差があります。名古屋以北では「たまごボーロ」、京都では「エイセイボーロ」、大阪では「乳ボーロ」、九州では「栄養ボーロ」と呼ばれることが多いとされています(同志社女子大学・吉海直人教授コラム「たまごボーロの秘密」より)。
まとめ
編集部として調べてみると、たまごボーロは「ボーロ」というポルトガル語の菓子の総称が、日本各地で卵を使った小粒の菓子として独自に発展し、地域によってまったく違う名前で呼ばれるようになった、奥深いお菓子であることが分かりました。記録の上で確かなのは、明治26年に京都の西村衛生ボーロ本舗が「衛生ボーロ」として製造を始めたこと、そして佐賀では別系統の「丸ぼうろ」が独自に発展してきたことです。次にたまごボーロを手に取るときは、こうした歩みにも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
南蛮菓子から生まれた洋菓子の歴史については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
出典:Wikipedia「ボーロ」(参考文献:中山圭子『事典 和菓子の世界』岩波書店、2006年)/Wikipedia「丸ぼうろ」/西村衛生ボーロ本舗公式サイト「西村衛生ボーロ本舗について」/同志社女子大学 吉海直人教授コラム「たまごボーロの秘密」
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