黒い風呂敷の中から現れる、小さな容器に盛られた餅と黒蜜・きなこ——信玄餅(しんげんもち)は山梨県を代表するお菓子で、その独特のパッケージも含めて観光客に親しまれています。戦国武将・武田信玄の名を冠したこのお菓子は、山梨を訪れる人たちへの定番土産として長年愛されてきました。
信玄餅が誕生したのは1968年(昭和43年)のことです。山梨の菓子メーカー「桔梗屋(ききょうや)」が開発・発売しました。黒蜜ときなこを合わせた甘さは、戦国時代の武将が食していた兵糧食をイメージしているともいわれています。武田信玄ゆかりの地・甲斐国(山梨)のお土産として、歴史的な背景を感じさせる命名と包装が消費者の心をつかみました。
信玄餅の食べ方には少し独特のルールがあります。風呂敷をほどき、きなこと黒蜜を容器の中に入れて、付属のつまようじで混ぜながら食べるのが一般的です。この「自分で仕上げる」という体験も人気の理由のひとつです。また、桔梗屋の工場では「信玄餅詰め放題」という人気体験コーナーがあり、観光スポットとしても知られています。
現代では信玄餅の類似品・関連商品も多数登場しており、「信玄餅アイス」「信玄餅パフェ」など様々なアレンジが楽しめます。山梨・甲府エリアを訪れた際には、ぜひ本家の信玄餅を買い求め、風呂敷を広げる瞬間の楽しさも含めて体験してみてください。