サクっとした薄皮の中にたっぷりのカスタードクリーム——シュークリームは、日本の洋菓子店の定番商品として長く愛されてきました。フランス語で「キャベツのクリーム」を意味するこのお菓子が日本に伝わり、定着するまでには、明治時代の文明開化という大きな時代の流れがありました。
シュークリームが日本に伝わったのは明治時代のことです。1869年(明治2年)に横浜で開業した洋菓子店など、外国人向けのホテルやレストランで提供され始めました。フランスやイギリスから来た料理人・菓子職人たちが作るシュークリームは、当時の日本人にとって全く新しい食体験でした。
明治・大正期にかけて洋食文化が広まるにつれ、日本人の洋菓子職人たちもシュークリームの製法を学び始めます。カスタードクリームの作り方を日本人向けにアレンジし、生クリームを合わせるなど独自の工夫が加えられていきました。東京・銀座をはじめとする繁華街の洋菓子店で販売されるシュークリームは、ハイカラなスイーツとして人気を集めました。
現代の日本のシュークリームは、フランスの原型から大きく進化しています。コンビニの定番スイーツとして100円台で買えるものから、専門店の高級品まで幅広く展開されています。抹茶・ごま・チョコレートなど和の素材を取り入れたアレンジも盛んです。明治の文明開化が日本に持ち込んだシュークリームは、今や日本のソウルスイーツのひとつとなっています。