第23回 たい焼きの元祖(東京):麻布十番から全国へ広まった国民的おやつ

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尾びれから頭までキツネ色に焼き上がった、鯛の形の焼き菓子。ぱりっと薄い外皮を噘むと、中からたっぷりの粒あんがあふれ出す——「尾びれまであんこが入っているかどうか」が、職人の腕が試される伝統的な見極めポイントです。たい焼きは、日本全国で親しまれる庶民的なおやつの代表格。駅前・商店街・縁日……日本のどこに行っても、焼き型の「パカン、パカン」という音と、甘い香りに引き寄せられた経験が一度はあるはずです。その誕生は明治時代の東京に、はっきりと記録されています。

鯛の形の国民的おやつ たい焼き 粒あん老舗
尾びれまで粒あんが入ったたい焼きは、職人の誇り
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目次

たい焼きの元祖——1909年、麻布十番「浪花家総本店」の挑戦

たい焼きの元祖とされているのが、1909年(明治42年)に東京・麻布十番に創業した「浪花家総本店(なにわや そうほんてん)」です。初代神戸清次郎(かんべ せいじろう)が、当時流行していた今川焼き(大判焼き)をヒントに、縁起の良い鯛の形にしたたい焼きを売り出しました。

「鯛」は「めでたい」の語呂合わせで古くから縁起物とされており、形自体が祝いの席を連想させる——この「鯛の形+庶民価格のおやつ」という組み合わせが大当たりし、瞬く間に東京の町に広がっていきました。浪花家総本店は現在も麻布十番で営業しており、「たい焼き御三家」(麻布十番・浪花家/四谷・わかば/人形町・柳屋)の筆頭として、行列の絶えない老舗です。

たい焼きブームの夜明け——「およげ!たいやきくん」が起こした社会現象

たい焼きを一気に全国区の国民的おやつに押し上げた出来事が、1976年(昭和51年)に起こります。子門真人(しもん まさと)の歌う「およげ!たいやきくん」が、テレビ番組『ひらけ!ポンキッキ』から発信され、空前のヒットを記録。シングルレコードの売上は約450万枚を超え、日本のシングルレコード売上の歴代1位を現在も保持しているという伝説的な楽曲です。

この歌の影響で、「鉄板の上で毎日毎日焼かれていた」たい焼きというおやつが、子どもから大人まで口ずさめる存在に。全国のお菓子屋・屋台・駅売店で「たい焼き始めました」の弻り紙が並び、たい焼きは昭和の庶民文化を象徴するおやつとしての地位を不動のものにしました。

「天然もの」と「養殖もの」——知っておきたい2大製法

たい焼きには、製法による2つのタイプがあり、たい焼きファンの間では”天然”と”養殖”の呼び分けが定着しています。

天然もの(一丁焼き)

  • 焼き型の構造:鯛1匹分の一対の鉄型を、職人が一つずつ手で持って焼く
  • 特徴:皮が薄くパリッと仕上がり、鯛の形がくっきり出る
  • 代表店:麻布十番・浪花家総本店、四谷・わかば、人形町・柳屋(たい焼き御三家)
  • 難易度:職人技が必要で、焼き手の技量が味に直結

養殖もの(連式)

  • 焼き型の構造:鯛が6〜8匹並んだ連式の鉄板で一度にまとめて焼く
  • 特徴:皮が厚めでふっくら、今川焼に近い食感
  • 代表店:駅前チェーン、商店街の店舗が中心
  • 難易度:安定して大量に焼ける、庶民のおやつとしての普及の立役者

“天然もの”の薄皮パリッと感が好きな方は、麻布十番まで足を伸ばす価値があります。毎日並んでも、一度は食べる価値のあるたい焼きです。一方、”養殖もの”のふっくら生地は、家族で1袋買って温かいうちに頨張る日常のおやつとしての魅力がある——どちらも、正しい楽しみ方があります。

日本橋 たいやき 元祖 もちもち生地
もちもち系のたい焼きは近年のトレンド、食感の多様化が進む

現代のたい焼き——フレーバーの多様化と”もちもち系”の台頭

伝統的なたい焼きは小倉(粒あん)が王道ですが、近年は中身のバリエーションが驚くほど豊富になりました。

  • カスタードクリーム:子ども〜若い世代に人気、洋菓子感覚のたい焼き
  • チョコレート:冬の定番、濃厚なチョコが外皮と相性抜群
  • キャラメル・ナッツ:香ばしさと甘さの層が楽しい
  • 季節のフルーツあん(苺・栗・マロンクリーム):春秋の限定商品で定期的に登場
  • 抹茶あん・白あん・芋あん:和素材の多様化
  • チーズ・ピザ・カレー:食事系の”たい焼き”という発想の転換

さらに近年は、もっちり・ねっとりした「もちもち系」のたい焼きも台頭。白玉粉やタピオカ粉を生地に混ぜた韓国・台湾風のアレンジもあり、「たい焼き」というジャンル自体が世代を超えて進化し続けているのが面白いところです。

🏪 現在も元祖として営業中のお店

■ 浪花家総本店(東京・麻布十番)

1909年(明治42年)創業、たい焼きの元祖とされる店。麻布十番駅から徒歩すぐ、パリッと薄皮の一丁焼きの天然もの。焼き時間がかかるため行列は当たり前、できれば平日の昼過ぎに狙うのがおすすめ。

■ たいやき わかば(東京・四谷)

1953年(昭和28年)創業。たい焼き御三家の一軒。四谷駅近く、行列必至の名店。尾びれまでぎっしりのあんこと、香ばしく焼き上がった皮のバランスが絶品。

■ 柳屋(東京・人形町)

大正5年(1916年)創業。たい焼き御三家の最後の一軒。人形町駅から歩いてすぐ、職人の手で一匹ずつ丁寧に焼き上げられる姿は、店頭で見るだけで価値がある。

■ 鳴門鯛焼本舗(全国チェーン)

2007年創業と比較的新しいが、天然もの(一丁焼き)を全国チェーンで展開した立役者。駅前や商業施設で手軽に天然ものを食べられるよう”民主化”したブランド。

■ くりこ庵(関東中心に展開)

個性的な限定フレーバーと、シーズナル限定で知られる。地域ごとの限定商品もあり、旅先で出会うと嬉しい。

天然もの一丁焼きのたい焼き 職人技の和菓子
一匹ずつ手で焼き上げる”天然”たい焼きは、職人技の結晶

たい焼きのおいしい食べ方——焼き立てをそのまま、がベスト

  • 焼き立ては、買ってから5〜10分以内に食べるのが鉄則。外皮のパリッと感が最高
  • 冷めたらオーブントースターで2〜3分加熱すると、皮のパリッと感が復活
  • 冷凍保存する場合は1個ずつラップで包む。食べるときは自然解凍+トースターで仕上げる
  • 飲み物の相性は濃いめの煎茶・ほうじ茶・ブラックコーヒー・冷たい牛乳が鉄板

まとめ:明治の職人魂と、昭和のヒット曲が作った国民的おやつ

明治42年(1909年)、麻布十番の浪花家で「縁起のよい鯛の形」というアイデアから生まれたたい焼き。大正・昭和を経て全国に広まり、1976年の「およけ!たいやきくん」ヒットで世代を超えた国民的おやつとなりました。

現代のたい焼きは、あんこ・カスタード・チョコ・キャラメル・季節のフルーツ——中身のバリエーションが広がり、もちもち系やチーズ入りといった創作系も続々登場。110年以上経っても、たい焼きは新しい表現を受け入れながら進化を続けているのです。

次に街でたい焼き屋さんを見かけたら、焼き立ての1匹を。尾びれまであんこが詰まっているかどうか——その小さな確認が、このおやつを支え続けてきた職人への、ささやかな敬意になります。

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この記事を書いた人

全国47都道府県のスイーツ・銘菓を食べ歩くスイーツ愛好家。楽天市場でのお取り寄せ歴10年以上で、本当に美味しいものだけを厳選してご紹介しています。チョコレートとチーズケーキが特に好き。地方の隠れた名品を発掘するのが何よりの楽しみです。

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