福岡・博多のお土産として近年不動の人気を誇る「博多通りもん(はかたとおりもん)」。白あん(白いんげん豆あん)をバター・生クリームで洋風にアレンジした饅頭で、2000年代以降の「全国銘菓選」で最多受賞を誇るほどの実力派です。しかしその歴史は他の老舗銘菓と比べると意外なほど短いのです。
博多通りもんが誕生したのは1990年(平成2年)のことです。福岡の菓子メーカー「明月堂(めいげつどう)」が開発・発売しました。名前の「通りもん」は、博多弁で「通りすがりの人・旅人」を意味する言葉に由来しており、旅人に気軽に渡せるお土産というコンセプトが込められています。
発売当初から口コミで人気が広がり、1990年代後半には全国菓子博覧会で金賞を受賞するなど実力が認められていきます。「全国銘菓コンテスト」での連続受賞により、「博多を代表する銘菓」としての地位が確立されました。博多駅・福岡空港のお土産コーナーには常に大量に並び、帰省・出張帰りの福岡人の必携土産となっています。
現在では年間1億個以上が販売されるという驚異的な数字を誇ります。常温で持ち運べる個包装の利便性と、万人受けする上品な甘さが、幅広い層から支持される理由です。平成に生まれてわずか30年余りで「定番銘菓」となった博多通りもんは、品質と革新が新しい伝統を作るという事実を示しています。